本のヒゲブログ

Salesforceエンジニアの書評 1記事1000文字以内で書きます

「謙虚なコンサルティング」を読んだ

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全体の感想

提案力・説得力のスキルに関してのコンサル攻略本は巷に山ほどありますが、本書はクライアント自ら解決できるように支援をすることに重きを置いています。

実際に著者が経験したクライアントとのやりとりをcaseとして挙げ、良かった・悪かった点を述べて降ります。もし読者が似たような経験をしていれば、それらをcaseと照らし合わせてみると「あの時こうしたら結果は変わっていたかもしれない」と気づきを与えてくれると思います。

印象的な文章

行動は観察するものであって判断を下すものではない P104参照

コンサルタントが行動の結果を判断し、解決策を提示するのではなく、相手に気づかせるための支援を行うべきだと。

コンサルタントが自ら判断を下した場合、クライアントの学びになりません。判断を気づかせるために手助けをしなくてはなりません。学びがない状態で解決した場合は、その後また同じ悩みが生まれる可能性があります。

また、クライアントが自ら解決できるように支援するにはある程度関係がよくないと難しいと述べております。本書によるレベルの定義は以下です。

  • レベル1 :取引上の、お役所的な、ほどほどの距離を保った関係
  • レベル2 :個人的な関係
  • レベル3 :親密さ、愛着、友情、恋愛感情

関係は良すぎても悪くてもよくないので、求めるべきはレベル2です。レベル1の関係では包み隠さず相談してもらうのは難しいです。想像してみてください、自分(クライアント)が相手(コンサルタント)とLV1の関係だとしたら、深いところまで悩みを打ち明けることはできますか。

最後に

コンサルトは「相談する」と言う意味です。人間誰しも友人、家族あるいは仕事仲間に相談をしたり、相談に乗ることがあります。本書を読めばこれまで以上に人の話を上手く聞き、謙虚に問題を解決する糸口を提供できるかもしれません。

私自身、前のめりなコンサルティングより、謙虚なコンサルティングをしたいし、そうされたいと思っています。

本書は昨日読み終えたばかりでまだ全部の理解はできていません。ただ、「今後の人生で役に立つ」と感じたので、何度も読んで体に染み込ませたいと思います。

「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」を読んだ

f:id:hiro610213higeway:20170815105948j:plain まず初めに、タイトルと内容があってない!「IT業界の決算からよみとく…」などであればわかった気がします。

感想

主にIT業界をターゲットとした決算を読み解く内容となっております。日本の企業だけではなく、海外の例もあり、比較しやすくわかりやすかったです。

株をやっている方などにとっては、各企業への著者の目の付け所が参考になる程度かもしれません。今まで決算を読んだことない人や、これから読むようにしてみよう、と思った方が読まれると勉強になります。

印象的な文章

クラウド事業:営業利益率は25%程度。利益率はECの6倍くらい P062参照

上記はアマゾンの業績に関してです。ECサイトは営業利益率が4.5%くらいだったので、クラウド事業のほうが利益率でいえば6倍も上だとは、全く知らなかったです。

SFDCを仕事としている自分としては、こちらはどうなのか気になったのでしらべました。クラウド事業で比較です。

SFDC決算資料 f:id:hiro610213higeway:20170815110302p:plain

以下$1000単位です。
本書のアマゾンAWSの例が2015年度だったので、SFDCも合わせました。

AWS

  • Net sales = $790,000
  • 営業利益 = $186,000
  • 営業利益率 = 24%

SFDC

  • Total revenue= $5,373,586
    (SFDCの資料にはNet salesで記述がありませんでした)
  • 営業利益 = -$145,633
  • 営業利益率 = -2.7%

利益率マイナスです。いったいなぜ?と思って決算資料を眺めていると、販管費がすごいです。

  • R&D = $792,917
  • Marketing and sales = $2,757,096

人材やマーケティングにとことん投資をしているということですね。

2017年度では売上高に関して言えばそろそろ100億ドル。最近の日経新聞にマーク・ベニオフさんの記事が載ってましたが、ソフトウェア分野で売上高が100億ドルを超えた企業は米Microsoft,Oracle,独SAPと3社しかないようです。

現在SFDCはAIに力を注いでいるので、2018年度も販管費がすごそうだ。

最後に

まだ素人レベルですが、本書をきっかけに決算説明資料を読むようになりました。これだけで買った甲斐がありました。

「GE 巨人の復活」を読んだ

f:id:hiro610213higeway:20170814130111j:plain 現在仕事で製造業向けのIoTシステムを構築しておりますが、業界知識が乏しいため、製造業IoT化で有名なPredixのGEを知りたいと思いました。

全体の感想

GEの簡単な歴史が語られており、どなたでも読める内容です。GEの書籍はいくつかありますが、本書はサブタイトルでもある「デジタル製造業への挑戦」に注目されておりました。

コングロマリット経営時代にリーマン・ショックを経験し、その当時様々な企業が窮地に陥っている中、なぜ多くのシリコンバレー企業が成長できたのか、なぜGEはダメだったのか。という疑問からGEのデジタル化が始まりました。

簡単にいうと、シリコンバレーのスタートアップ企業をとことん真似しよう」という考えのもと、以下の方法論を取り入れました。

大企業がベンチャーの真似をするというのは変にプライドが高い経営者だと難しそうですが、当時のCEOである「ジェフ・イメルト」さんの柔軟な考え、デジタル化への底知れぬ熱意があったから実現できたことなのだと考えます。

印象的な文章

ビッグデータ分析を手がけたことがない顧客に「ビッグデータ分析によって業務をどう改善したいですか」とか「人工知能をどこで活用したいですか」などと聞いても意味がない。「何が欲しいですか」と直接聞くのではなく、「1日の仕事の流れを教えてください。」と言った簡単な質問から初めて、顧客の行動を広く聞いた上で、その裏側にある動機を解明していく P115参照

デザイン思考のエスノグラフィの質問術のIoT例ですが、今の仕事で私は「意味がない質問」を顧客に対して行なっていた気がします。顧客が悩んでいることの本質を探る質問を、こちらの文章を読んでから実践するようになりました。

読みたい本が沢山あり、まだ読めていませんが「デザイン思考」の本を早く読みたいです。

最後に

GEがデジタル化できた要因に方法論を実践したことがありますが、方法論を学んだ後に、実践できている人・企業はすくないのではないでしょうか。

変化は痛みを伴います。失敗するかもしれないし、成功するかもしれません。ただ、痛みを恐れていては決して前に進むことができません。そんなことを改めて教えてくれた本でした。

「いたいコンサル すごいコンサル」を読んだ

f:id:hiro610213higeway:20170813093718j:plain 私はアマゾンでは本の目的買い、街の本屋さんでは本屋さんがオススメしている本を買う主義ですが、本屋さんでふと目に入ったおすすめ本のタイトルが「すごいよマサルさん」ぽかったので買いました。

感想

著者は16年間いくつかの有名コンサル会社で仕事をしていた方なので、説得力があります。

これからコンサルを起用しようとしている企業や、コンサルになろうとしている方が読んだら面白さが増すかもしれません。

内容としてはコンサルに向けた10個の質問が各章になっております。私は目次を眺めたところ、1-7章に対してパッと回答が出ませんでした。(現在仕事をしているお客さんを相手としたら)

本書どおりにいえば、これらの10個の質問が的確に回答できれば、「すごいコンサル」にすこし近づけるのかと思います。なので、これからコンサルがんばろう!としている方は、最低これらをカバーしておけばコンサルの土俵にたてるのではないでしょうか。

印象的な文章

あたかもクライアント自身が自分で考えついた、コンサルタントはたまたまそのきっかけを提供した、というかたちでブレーンストーミングの「手柄」をクライアントにもたせてあげるような討議展開ができるか
P 193参照

自分のおかげでしょ?という雰囲気をだすのではなく、あくまでうまいパスを出し、ゴールはクライアントが決める。という流れが良いとしています。

自分がクライアントになった気持ちで考えてみると、ゴールは自分で決めた方が気持ちよくなるし、そんなうまいパスをしてくれるコンサルタントがいたら、常に一緒に仕事したくなるな。と感じます。

承認欲求が強い人は意識的にセーブしないと、コントロールが難しそうです。

最後に

印象的な文章は他にも多々ありましたが、紹介すると1000文字超えそうなので控えておきます。コンサルに興味がある方は是非一度読んでみてください。

余談ですが、こちらのブログはUlyssesを使って書いております。
最近アプリを買ったばかりなのに、買いきり型からサブスクリプション型になりました。最近買った方は12ヶ月無料らしいですが、私はとりあえず先に契約だけしなければならないのかと思い、サブスクリプション申請をしてしまいました…。

appleから領収書きました。

どうやら無料期間の方は申請しなくても良さそうです….うわあ…3300円損した

「トポスの知」を読んだ

f:id:hiro610213higeway:20170810173553j:plain 絶版になっていた本が復刊!という広告に釣られて買いました。箱庭療法という言葉も初めて聞いた気がしたのですが、本を読んでいる時に以前放送されていたドラマで、堺雅人さんが医者役で箱庭療法をしていたのを思い出しました。

感想

心理学者の河合隼雄さんと、哲学者の中村雄二郎さんとの対話形式で箱庭療法について語られています。 箱庭療法とは治療者が見守る中、患者が箱の中に砂やおもちゃその他色々を用いて、自分の庭を作り出す。ただそれだけの療法です。

それのどこが治療なの?と思いましたが、作られた作品が患者の心理状態を表しており、それを元に治療者と患者がコミュニケーションをとるというスタイルのようです。作品に対しての着眼点などは素人では判断できなさそうで、難しそうです。

印象的な文章

解釈しないでください、鑑賞してください
P 137参照

患者の作品に関して治療者が「それってこういうことだよね?」という自分の解釈を押し付けたら、治療がそこでストップしてしまう。箱庭療法は患者が自由に作り出すものである。そして患者は作品を作ることで外部要因からではなく自己治癒を行なっていく。したがって、治療者は解釈ではなく、鑑賞するべきだ。と述べておりました。

私も仕事上、お客様のシステムに関して話を伺う機会がおおいので「箱庭」を「相談」に置き換えて、仕事につなげて考えて見ました。もしかしたら自分もお客さんの言っていることを勝手に解釈して、考えを押し付けているのではないかと。

よく仕事上手な人は聞き上手というお話を聞きます。私の場合解釈を全くしないのは仕事上よくないので、自分なりの解釈は行いますが、ちゃんと全てを鑑賞し終えてから、解釈するように気をつけた方が良いな。と感じます。

お話を聞いていると、お客様自ら「あっ!そうなのか」と自分で話して自分で納得している場合もあります。これも言ってしまえば自己治癒なのでしょうか。

最後に

全く知らない分野の本を読むと、意外にそこから気づける・学べる点が多く、改めて読書の大切さに気づきました。自分の好きなジャンルに偏って読むだけではなく、少し冒険して読書してみるのも良いと思います。

「不道徳な見えざる手」を読んだ

f:id:hiro610213higeway:20170810000313j:plain 英題「phishing for phools」に対して邦題「不道徳な見えざる手」凄い…。 経済に疎い自分でも読めるか心配でしたが、最後まで楽しみながら読めました。

全体的な感想

大きく以下2つのテーマがお題になってます。

  • ぼったくりがなぜなくならないのか?
  • ぼったくりに釣られるカモについて

訳者が「あとがき」で語っていましたが、経済に明るい人にとってはおそらく目新しいものはない。といった内容や、フォーブスから酷評を受けたことも記載されてます。

書評では極端に良い・悪いで評判が分かれているので、
自分はどっち側なのだろう。と、気になってしょうがありませんでした。

あれ…どうやら釣られたみたいです。

印象的な文章

第1章に焦点を置きたいと思います。

自由市場は、人々が本当に欲しいものを生産するだけではない。人々が肩の上のサルの思考に従って求めるものも作り出すのだ。
P 57参照

「肩の上のサル」とは言うならば「もう一人の自分」です。
それも含めて「自分」という一人の人間です。解釈もあると思います。 「もう一人の自分」を上手くてなづけられていない人が多いというのも事実で、全てが「釣り」だとは言いませんが、インターネットの広告やCMなど、色々なマーケティング戦略に引っかかり、本当に欲しくないものも買ってしまっているという解釈ができました。

じゃあ本当に欲しいものってなんなんだ?という問いが生まれました。 例えばお腹が空いている時に美味しそうなピザのCMを見て、注文して食べたものが本当に欲しいものかどうか。

こちらは本書的にいうと釣られたカモなのかもしれません。
偶然に流れたCMではなく、お腹が減るお昼時にCMを流し、外的要因により食欲・物欲を刺激され、まんまとCMに引っかかったという意味で。

次に本当に欲しいものの場合ですが、以下が全てYESなら釣られていないのではないか!と勝手なこじつけで考えました。

  1. なかったら困るもの
  2. なぜ欲しいのか論理的に答えられるか
  3. 外部要因に刺激されて購入しようとしていない

ただ、上記のように考えると、生活必需品以外はだいたい釣られて買ってしまってる気がします…。

最後に

第1章以外にも様々な釣り事例がありました。「無知は罪なり」とソクラテスはいいましたが、無知ほど怖いものはないな。と改めて実感させられた一冊でした。

「ダークサイド・スキル」を読んだ。

f:id:hiro610213higeway:20170807221723j:plain 週間ダイヤモンドの書評欄に載っていて、「ダークサイド・スキル」のタイトルが目を引きました。一体どんなダークな本なのか…

全体的な感想

ロジカルシンキングやプレゼン力などのスキルを「ブライトサイド・スキル」と呼び、
人・組織・会社を動かすスキルなどを「ダークサイド・スキル」と呼びます。

本書はこのダークサイド・スキルを用いてミドルリーダとしてビジネスに立ち向かうための7つの技が書かれております。

以下7つが本書で定義されているダークサイド・スキルです。

  1. 思うように上司を操れ
  2. KYな奴を優先しろ
  3. 「使えるやつ」を手なずけろ
  4. 堂々と嫌われろ
  5. 煩悩に溺れず、欲に溺れろ
  6. 踏み絵からにげるな
  7. 部下に使われて、使いこなせ

印象的な文章

人は偉くなると「アイ・ドント・ノウ」と言いづらくなってくる。偉くなるほど、我が身可愛さもあって、「知らない」「教えて」とは言えなくなってくるものだが、彼女はそこを割り切った。ついたあだ名が「マスター・オブ「アイ・ドント・ノウ」」使える人はなんでも使い、徹底的にパクって結果を出したのである。
P 085参照

こちらは7つのスキルの3番「使えるやつ」を手なずけろ。の中に記述されている文章です。
何でもかんでも自分でやろうとするリーダの方をよく見かけますが、
そうではなく、他人に任せられるところは他人に任せましょうと言う考えです。

全て自分でやろうとすると時間も労力もかかります。「使えるやつ」というと呼び方が悪いですが、よく言うとその分野において信頼できる部下たちの力を集結し、それを上手く捌くスキルがミドルリーダには必要なのだと考えます。

最後に

以下の文章はダークサイド・スキルに関してではなく、
最終章で良品計画松井忠三さんが対談の中で語っていた言葉です。

意識は行動を変えないと変わりません。意識を変えてから行動が変わるのではなく、行動を変えることで意識を変えるのです。この順番は逆ではいけない。

「これからxxxをがんばる」など、将来に向けて意気込んでいる人をよく見かけますが、
そうではなく、まず行動で示せ。というメッセージが刺さりました。

意識は過去の物事を元に体に染み付いているものだから、
矯正するにはまず体を使い行動で示し、その後意識を徐々に変えていかないといけない、と言うのは一理あります。